落ち込んだときはごまかさない。「とことん打ちひしがれて2日で終えたい」桜井流・メンタルの養生法
ドラマを通して知った、食べることで身体を養生するという方法。では、メンタルの養生はどんなふうにしているのだろうか?
「もし辛いことがあったときには、とことん、打ちひしがれます(笑)。そのことを考えないようにするとか、気晴らしに何かをするって、付け焼き刃だと思っているんです。その瞬間は忘れられるのかもしれないけど、決して解決するわけじゃない。だったら、とことんそのことを考えて、浸って、落ち込んで、悲しんで、これ以上凹めないというところまでいって、『さぁ、どうする?』と」
そうすると、あとは立ち上がるしかないという……?
「そうですね、とことん潜ると、『ああ、でも、もう起きてしまったことだし』という思考がわいてくる瞬間があるんです。とことん落ち込んでいる期間はつらいですけど、変にごまかして1週間ダラダラ悩むくらいなら、とことん打ちひしがれて2日で終えたいというのが、わたしの考え方です(笑)」
——悩みごとについて、誰かに意見を求めたりすることもありますか?
「そうですね……。以前は悩み事があると信頼できる人に相談することが多かったのですが、あるとき、いっさい、誰にも言わないで、1人で乗り越えることにチャレンジしてみようと思ったことがあって。極限の自分がどういう判断をするのか興味があったし、自分が心の底から納得しないと次のステップに進めない、答えは自分の中にしかないんだという思いに突き動かされて」
もちろん、誰かに相談して見えることもある。これまで、何度も助けられてきた。しかし——。
「誰にも相談せず、自分で考えて行動してみた結果、意外にもなんとか乗り越えることができたんですよね。それ以来、自分の人生とか、今後どうしていきたいかみたいなことは、自分の中にあるものを信じて選択するようになりました。そうすることで、たとえうまくいかなくても『自分で決めたことだから』と思えるじゃないですか。もし、誰かに相談した結果だったら『相談しなきゃよかった』と思うかもしれない。それは、その人に対してとても失礼ですよね」
最後に、こんな質問をしてみた。
——『しあわせは……』のあとに、桜井さんが言葉を続けるとしたら?
「えーっと、そうですね……難しいなぁ……うん。『しあわせは変わらない日常』。
加賀まりこさんが『朝、目が覚めて、どこも痛くない、具合が悪いところがないって幸せ』っておっしゃっていたんですけど、本当にその通りだと思ったんですね。何歳であろうが、健康な状態で目が覚めるってなんて幸せなことだろう、って。変わらない日常を送ることができるのはありがたいことなんだという思いを込めて」
▪︎作品情報
特集ドラマ『しあわせは食べて寝て待て〜早春の養生編〜』
【NHK総合】2026年8月18日(火)夜10時〜11時12分
※NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
【原作】水凪トリ「しあわせは食べて寝て待て」
【脚本】澤井香織
【音楽】中島ノブユキ
【出演】桜井ユキ 宮沢氷魚 加賀まりこ 他
【演出】中野亮平
【制作統括】小松昌代(NHKエンタープライズ)、石澤かおる(NHK)