1年ぶりの再会で「これまでで一番楽しい本読みでした」桜井ユキ演じる“さとこ”への思い

『早春の養生編』は、愛すべき登場人物たちの“その後の物語”ではなく、ドラマ10の第6話と7話の間にあった出来事が描かれるという。

「クランクイン前に出演者が集まって本読みをしたのですが、1年ぶりの再会にも関わらず、さとこ役の桜井ユキさんの第一声で『しあわせは食べて寝て待て』の世界観がよみがえりましたし、声だけなのに自分の中に映像が浮かんで、これまでで一番楽しい本読みでしたね」

 撮影は物語の舞台となる団地で、さとこと司が会うところからスタートした。

「朝ドラや大河ドラマは、セットの都合で、時系列でいえば数年後にあたるシーンを続けて撮ったりしたというお話を前回しましたが、今回はほぼ順撮り(台本の最初から順番に撮影をしていく手法)だったので、自然に気持ちが繋がりました」

特集ドラマ『しあわせは食べて寝て待て〜早春の養生編〜』場面写真 ©NHK

 制作統括の小松昌代氏によると、ロケ地の団地に「氷魚ファンクラブ」が結成されるほどの人気で、撮影中に迎えた誕生日には両手に余るほどプレゼントが用意されていたという。

「嬉しかったですね。撮影でぼくを知ったという団地の方もいらっしゃって。みなさんと一緒に作品を作っているという感覚がありました」

 ドラマ同様、撮影も優しい時間が流れていたと穏やかな笑顔を見せる。さとこ役の桜井ユキは、宮沢が演じる司には「原作の良さに、氷魚くんの柔らかさと繊細さがプラスされている」と語っているが、司役の彼から見た桜井が演じるさとこは「すごく気になる、放っておけない存在」だという。

「桜井さんが演じるさとこが持っている葛藤、自分の殻を破りたいという強い思いはあるけど、病気のことなどがあって乗り越えるのが難しいという思いを見事に表現されていて、一緒にいると『麦巻さん、大丈夫かな』とすごく自然に思えるんですよね」