「健康でもがんサバイバーでも、生きている限り1日はやってきます」

 がんを経験して変わったなは、人生を逆算して考えるようになったことですね。それまではなんとなく80歳、100歳ぐらいまで生きるんだろうなと思って過ごしていたけど、「私、人間だった」って気づいたんですよね。死ぬことなんて考えて生きてなかったけど、人間ならいつか死ぬんだって。

 体にも賞味期限があるとわかってからは、自分がやりたいこと、できることを最優先でやろうと思うようになり、私の場合それが子供を産むことでした。チャレンジできるとことは、生きていることの証です。チャレンジできること、やりたいことは、生きているうちでいちばん若い今日からやっていく。いつかじゃなくて、今やる。だって、その「いつか」は来なくなるかもしれないんです。

 健康でもがんサバイバーでも、生きている限り1日はやってきます。不妊治療も、がん治療も、「無理かもしれない」とか、「できなくなること」「制限されること」にばかり目がいきがちだったけど、いつからか、その状態で、1日をどう楽しく過ごしてやろうかという考えに変わりました。がんになったことは変えられないけど、1日をどう過ごすかは自分で決められる。命に限りがあるとわかってからは、時間への向き合い方が随分変わりましたね。

 抗がん剤投与中も、仕事は無理だと思っていたけど、ウィッグすれば大丈夫かもと思えるようになった時、マネージャーに「バンジージャンプ以外だったらいけそうです」って連絡しました。バンジーでウィッグが取れちゃったら、絵面はめちゃくちゃおもしろいけど、絶賛抗がん剤中だとお客さんを困らせちゃうかなと思って(笑)。

だいたひかる 撮影/河村正和