相方・ヒデの意外な反応
ともあれ、セカンドオピニオンは大事だなと思います。後から、「あっちの病院に行っておけばよかった」とか、「もっと意見を聞いてみたらよかった」と思うのはイヤじゃないですか。納得して治療を受けるためにも、セカンドオピニオンはお勧めです。腕だけじゃなく、性格とか、患者への接し方とか、お医者さんとの相性もありますしね。
M先生が名医だと思うのは、最新の機械でもわからなかった原発を、最後の最後は自分の指先で突き止めたから。これは経験というだけじゃなく、先生の患者を思う愛によるところも大きいんじゃないかなと思っています。そして、M先生を指名してくれた大学病院の先生も名医。僕は、人に恵まれて生かされているんです。
中咽頭がんには、治療方法として2つの選択肢があります。1つは手術で取る。もう1つは抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法です。先生いわく、僕と同じ中咽頭がんの患者さんが20人いるとしたら、19人は化学放射線療法を選ぶ。その方が治る確率が断然高いためです。では残りの1人は何故治る確率の低い手術を選ぶのかと聞いたら、化学放射線療法は後遺症として味覚や唾液に障害が残る可能性が高いので、料理人やソムリエなど、味覚に影響が出る職業の人は手術を選ぶことがあるという話でした。
がんがわかった時にはショックだったけど、その頃には、先生の「これぐらいのがんなら、今はもう治るんですよ」という言葉を信じて頑張るモードに切り替えていました。落ち込んだらがんの思うツボ。なるべくポジティブマインドでいることを心がけ、僕は治る確率が高い化学放射線療法を選びました。結果的に2つの後遺症が色濃く残ってしまいましたが、自分の選んだ道です。
僕ががんになったということを、相方のヒデさんには公表直前に伝えました。ヒデさんは1分ぐらい何も言わなくなっちゃって、僕の方から「入院はするけども、治るやつだから。大丈夫だから」とフォローする羽目に(笑)。ヒデさんは、「わかった。待ってる」と言ってくれました。
(つづく)