2020年6月、中咽頭がんを公表したお笑いコンビ・ペナルティのワッキーさん。壮絶な治療を乗り越えることができた背景には、病院で出会ったがんサバイバーの人たちから気付かされたこと、そして思わぬ人たちからの「応援」があった。闘病で学んだワッキーさんのTHE CHANGEとは。【第2回/全3回】
2020年6月から2か月の入院で、放射線治療と抗がん剤治療を受けました。放射線は35回、その合間に3回の抗がん剤。放射線治療中は喉がケロイド状にただれますし、口から物を食べられなくなる。ただキツかったのは抗がん剤でした。
抗がん剤の副作用は個人差があって、僕の場合1回目より2回目、2回目よりも3回目がキツくなりました。もう、あれは人生で経験したことがないほどです。3回目の抗がん剤を打った後は、20分ごとにゲロゲロって……。吐くものもないんですけど、気持ちが悪くてのたうち回りました。3日間ぐらい何も食べられず、みるみる痩せる。栄養補給は胃ろうでした。
学生時代はサッカーをやってきて体力には自信があったし、ずっと健康で、人生初の入院ががん。緊張して病院へ行くと、廊下の空きスペースに半円を描くように椅子が置かれていて、僕を囲むと、片目を包帯ぐるぐる巻きにしたマッチョのおじさんが「余命◯年ですが、今はデスクワークしていて元気です!」と言ったり、ガリガリのおばあちゃんが「私はもう全身に転移していて助からないけど、私の体を使って新薬の開発をしてもらう」と言ったり。みんなパワーがあるんですよね。思ってもみなかった“歓迎会”で、すごく勇気をもらいました。
その後病室で1人になり、「俺ががんになったのも、何か意味があるんじゃないか」としみじみ考えました。そこで出た答えが、「俺はお笑い芸人だ」と。この病棟を明るくするために、俺は来たんじゃないか——。何か使命感のようなものが自分の中に湧いてきました。