大ヒット映画『マトリックス』3部作の“バックエンド”で手にした報酬は?

 キアヌ・リーブスという俳優の真の素晴らしさは、彼がどれほど大きな成功を収めても、その生き方や人間性が一切変わらないという点にあります。

 ハリウッドには、映画の興行収入に応じて一定の割合がプロデューサーや主演俳優に還元される「バックエンド」という契約システムがあります。『マトリックス』3部作の記録的な大ヒットにより、キアヌさんが手にした報酬は、総額で約400億円にのぼると言われています。これほど巨万の富を手にすれば、誰しも生活が派手になったり、自らのステータスを誇示したくなったりするものでしょう。

 しかし、彼はその莫大な収入の大部分を、自身が設立したがん研究の支援基金や、白血病の研究機関のために惜しみなく寄付していたのです。それも、自らの名前を出すような売名行為としてではなく、極めてプライベートに、静かに行われていました。 彼にとっては、富や名声を得ることよりも、一人の人間として社会にどう貢献できるか、そして目の前の人々にどう誠実であれるかということのほうが、遥かに重要だったのだと思います。

 ハリウッドの頂点に立っても、飾らない素顔のまま、無欲で優しくあり続ける。キアヌ・リーブスというスターが、今もなお世界中で、そして、ここ日本でも、これほどまでに愛され続けている理由は、彼のスクリーンでの魅力だけでなく、その魂の気高さにあるのだと、私は彼と過ごした時間を振り返るたびに強く実感しています。

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