2026年夏の甲子園大会で、ひときわ注目を集めた仙台育英高校(宮城)の学生コーチ兼マネージャー・星よつはさん。同校の硬式野球部が創部されて以来、90年超の歴史において初の女子部員となり、春夏通算45回の甲子園出場を誇る強豪校を支え続けてきた。彼女はいかにして野球と出会い、女子部員として駆け抜けた2年半の中で、どのような「CHANGE」を経験したのか。第3回は、データ分析からノックまでこなす激務の中で直面した「選手のメンタルケア」の難しさと、試練の冬を越えて3年生と共につかみ取った甲子園への思いに迫る。【第3回/全5回】
部員のひとりとして、マネージャーと学生コーチの仕事をこなしてきた星よつはさん。具体的な仕事を聞くと、「ひと言で言うと、臨機応変になんでもやる人」という答えが返ってきた。
「その日によってやることは変わります。基本的にはデータ分析やお客様へのお茶出しで、こうした雑務は毎日でした。日によってはノックをしたり、試合の日はスコアをつけてアナウンスをして……。あとは試合中、整備のタイミングや、その日の選手オーダーからいろいろ組んで須江先生に相談したりとか、いろいろです」(星よつはさん、以下同)
仙台育英の野球部はチーム内競争を掲げ、大会ごとにメンバーの入れ替えも頻繁に行われるシビアなチームとして知られる。星さんにとって、メンバーを外れてしまった選手のケアも重要な仕事だったという。
「これは難しい仕事のひとつでしたね。すぐに気持ちを切り替えられる選手もいれば、ひとりになっていろいろ考えたい選手もいます。みんながみんな、同じような声がけをしたり扱いをしたりというのは絶対に無理なことだったので、すごく難しかったです」
データ分析や来客対応などの雑務、ノックに選手のメンタルケアまで、事務職から管理職、現場対応まで兼務するような星さん。並の社会人より激務だと言えそうだが、メンタルケアは特に気を揉む仕事だった。