『M-1』審査員の裏側といま注目のコンビ
でも今さら師匠もいないし、どうやったら演芸場に出られるんだろうと思っていたら、林家たい平とか桂宮治とか、二つ目ぐらいから可愛がってた人たちがもはや演芸場の看板になっている。彼らが呼んでくれるようになって、2020年から演芸場でモノマネ漫談をしています。やはり目の前にお客さんがいるのが私の原点です。がんになったことで、自分は何者だったのかがクリアになった。「そうだ、私は演芸人だったんだ」ということがよくわかりました。
2024年からは、喜劇人協会の11代会長にもなりました。歴代会長は、森繁久彌さんや三木のり平さん、森光子さん他……10代目会長の小松政夫さんが肝細胞がんで2020年に亡くなってから、コロナ禍の影響もあって休止状態になっていたのを、再始動という格好です。
2022年と2023年は『M-1グランプリ』の決勝で審査員もやりました。『M-1』は結成15年以内というルールがあって、「それだけやって売れなかったら諦めろ、夢ばかりじゃ食べていけないから」という趣旨で始まり、2021年優勝の錦鯉はとても良かった。
錦鯉は本当に売れなかった。ただ、私は絶対売れるって何回も言ってたの。だから優勝した時、錦鯉に「ね、売れたでしょ」と言ったら、「売れました!」って。嬉しかったなぁ。そういえば審査員の時も「誰このおばさん」とかあれこれ悪口をネットに書かれたけど、「ググッてね」と返信。「老害」もと書かれたけど、「すいませんね生きて」って(笑)。
今注目しているのはTOKYO COOLという50歳のコンビです。「全力じじぃ」というコンビ名の時は、全然売れなくて、改名して、やっと今年の8月に『笑点』(日本テレビ系)に登場。面白かった。お笑いにかける思いですか? 真面目に答えると、私自身ずっと、目が覚めた瞬間から寝るまで、どれだけふざけられるかだけでここまで来た。よく、母親からは「ふざけるんじゃありません」と言われたけど、どうしてもふざけたい(笑)。でも「笑い」っていいのよ。嘘笑いだとしても、免疫力が高まるそうです。結局、笑顔がいちばんです。
時には泣くこともあるでしょう。でも、泣くのは笑うのと一緒。生きているからです。
大人だって、時々はいいじゃないですか。わぁわぁ泣いていいと思います。そして気が済むまで泣いたら、その後は、一緒に大笑いしましょう。免疫力が上がりますよ。
(つづく)
【公演概要】
『南四局は終わらない』
作・演出=田村孝裕(ONEOR8)
日程:2026年11月5日(木)~16日(月)
会場:浅草九劇
出演:津嘉山正種、片岡富枝、髙橋ひろ子、嶋崎伸夫、井上智之、ひがし由貴、篠塚勝(青年座映画放送)、松熊つる松、尾身美詞、瀬田ひろ美(劇団キンダースペース)、山田邦子
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