米倉涼子にかけた言葉
――2012年に「ドクターX」がドラマとしてスタートした時、こんなに長く続く作品になることを想像されていましたか。
「12年も続くなんて当時は想像していませんでした。たしかシーズン1の打ち上げの時に、米ちゃん(米倉涼子)が泣いたんですよ。本人は忘れているんですけど、こんなに評価をいただけた作品ができたことに感動して、とても感謝していて。
何年か後に“あのとき泣いたよね”って言ったら、照れ隠しなのかもしれないけど“そうだっけ?”ととぼけていて(笑)。でも、そういう彼女の熱意がスタッフの皆さんの気持ちを動かして、それが作品となって視聴者の方にも何かが届いていて、ここまで続けてこられたのだと思います」
――博美としては、シリーズの常連になりそうな予感はどこかで感じていましたか?
「先ほどもお話ししたように、私も含めたキャストやスタッフの多くがこんなに長く続く作品になるとは思っていませんでした。ただ、シーズン2の終わりごろに続きそうな気配は何となくあったんです。シーズン1が終わった時に、博美が“次はフリーランスになります”というようなセリフがあったんです。そのセリフもあって“もしかしたらこの先も続くのかな”という予兆はどこかありました。その次のシーズンから博美も見事にフリーランスになっていたので、嬉しかったです(笑)」
内田さんが予期した通り、国民的作品となった『ドクターX』。キャストそれぞれにとって、非常に思い入れのある作品であることは間違いないだろう。
取材・文/根津香菜子
ヘアメイク/板倉タクマ、スタイリング/藤井享子
うちだ・ゆき
1975年11月16日、東京都生まれ。92年にドラマ『その時、ハートは盗まれた』で俳優デビュー。近年の主な出演作に、フジテレビ『最後から二番目の恋』、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、WOWOW『連続ドラマW 華麗なる一族』、NHK『燕は戻ってこない』などがある。待機作に、25年1月10日公開の『劇映画 孤独のグルメ』に出演。
「劇場版ドクターX」(https://doctor-x-movie.jp/)
監督: 田村直己、脚本: 中園ミホ、出演:米倉涼子、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、岸部一徳、染谷将太、西畑大吾、綾野剛、遠藤憲一、西田敏行ら。
12月6日(金)より全国公開。