昨年40周年を迎えた劇団「WAHAHA本舗」の旗揚げメンバーであり、自身もベテランとなったいまも「マチャミ」の愛称で親しまれる俳優、タレント、コメディエンヌの久本雅美。ジャンルの垣根を越えて縦横無尽に走り続け、今年は自身“初”となるホームドラマ舞台にも主演している。そんな久本さんのTHE CHANGEとは――。【第1回/全4回】

久本雅美 撮影/有坂政晴

 主演舞台『花嫁 〜娘からの花束〜』で全国を回る久本さん。稽古前の忙しい時間に話を伺えることに。そんなスケジュールにも関わらず、久本さんは「よろしくお願いしまーす!」とテレビ越しで見るのと同じ笑顔で姿を見せた。

――WAHAHA本舗や舞台での活躍とともに、久本さんにはテレビタレントやMCのイメージも強いです。ご自身の中に、もともと“テレビに出ていくぞ!”という気持ちは。

「ゼロではなかったけれど、そこまでではありませんでした。それよりも何とか劇団で認められよう、自分の力をつけようと必死でしたね。当時は、いろんなプロデューサーやディレクター、作家さんたちが“誰かおもしろいヤツはいないか”と小劇場に足を運んでいました。それで、WAHAHA本舗を作る前、劇団東京ヴォードヴィルショーにいたときから見続けてくれていて、『笑っていいとも!』なども担当されていた放送作家で演出家の高平哲郎さんが、“おもしろくなったな”と言って、タモリさんとのコントに絡ませようとしてくださって。最初にがっつりテレビに出たのが『今夜は最高!』(日本テレビ系)でした。そこをきっかけに、テレビの世界に出ていったんです」

※『今夜は最高!』・・・タモリが司会を務め、1980年代に放送され人気を博したトーク・コントバラエティ番組。