好感度タレント女性部門1位に

――全国的に有名になるには、テレビの力は大きかったと思うのですが、“自分が有名人になったな”と実感したのはいつ頃でしたか?

「私たちの時代は、レポーターから始まることが多くて、私もそうやって使っていただきました。あるとき、私とディレクターとカメラさんと音声さんでロケしていたら、“マチャミじゃん”って、人がわ~っと集まってきたんです。“ダメだ、裏へ回れ!”となって、ディレクターたちと動いているときに、“すげえ一気に人が来たな。お前、売れたな”と言われて。結局、そのロケは中止になったんです。WAHAHA本舗を作ったのが26歳のときで、その翌年からテレビに出だして、あれは28歳くらいのときだったかな」

――すごいですね。その後、いわゆる「好感度タレント1位」に連続で選ばれて話題になりました。“好感度タレント”と呼ばれることでやりづらいと感じた時期はありませんでしたか?

「ないですね。“好感度タレント女性部門1位”って言われて、関根勤さんに“時代が変わったって女房と抱き合って泣いたよ”とは言われましたけど(笑)。たしかに私も“え?”とはなりましたけどね。下ネタやってる人間が1位って。でも私としては変わり様がないし、変えようもないので。今だって60歳過ぎてもこうやってますからね、“ヨロちくび~”って」

 おおお、目の前で“ヨロちくび”を! 妙な話だが、なんだかありがたく思うのはやはり久本さんの好感度が高い証拠だ。

(つづく)

久本雅美(ひさもと・まさみ)
1958年7月9日生まれ、大阪府大阪市出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て1984年に同劇団員だった演出家の喰始、柴田理恵や佐藤正宏らとWAHAHA本舗を設立。昨年、40周年を迎えた。85年のトーク・コントバラエティ番組『今夜は最高!』への出演をきっかけに、バラエティ番組を中心にタレントとしても一気に人気を獲得していった。テレビではタレント、MCの印象が強いが、WAHAHA本舗以外も松竹新喜劇への定期的な出演など、演劇分野でも活躍している。最新主演舞台『花嫁 〜娘からの花束〜』では名プロデューサー・演出家の石井ふく子と初タッグ。ホームドラマに挑戦している。

●作品情報
松竹創業百三十周年『花嫁 ~娘からの花束~』
作:向田邦子
演出:石井ふく子
出演:久本雅美、羽場裕一、小林綾子、丹羽貞仁、上脇結友、瀬戸摩純、石原舞子
製作:松竹株式会社
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/mitsukoshi_2506/