久しぶりの本格ドラマ現場も…相葉雅紀・上戸彩・坂本冬美・石井ふく子らのおかげで楽しい撮影

「本格的なドラマの現場としては久しぶりでしたね。でも、この現場は緊張感がなく、むしろ楽しく望めました。主演の相葉くんは年齢を重ねてすごく素敵な役者さんですし、冬美さんともすごく仲良くなれて。上戸彩ちゃんも、彼女が十代の頃から知っていたので、一緒に芝居してたら“なんか照れるな”って言うくらい面白い空間でした。やっぱり石井ふく子先生がプロデューサーだったのが大きかった。みなさん素晴らしい役者さんでした」

一路真輝 撮影/松島豊

 一路さんといえば、演技もさることながら、観客席すべてを包み込むような表現力豊かな歌声も魅力だ。だが本人は、歌唱力以上に大切にしているものがある――。

「宝塚時代から歌が大好きでした。“私はダンスが苦手だから歌を頑張ろう”と自分を鼓舞していた部分もあります。退団して30年になりますが、宝塚の歌、ミュージカル、ポップスではすべて発声が異なるため、今でも試行錯誤の連続で、未だに答えは見つかっていません。
 その中で唯一、私が最も大切にしているのは“日本語の歌詞を、お客様に物語や心情としてちゃんとお伝えすること”です。私は高音がすごく出るタイプでもないし、圧倒的なパワーがあるわけでもありません。でも聴いてくださる方の心に寄り添って心情を歌う歌手でありたいなと思っています」

 一路さんにとって「日常=舞台の準備」。その当たり前の積み重ねこそが、ファンを魅了し続ける完璧な姿に繋がっている。

「よく“体型や声を維持するために、日常で気をつけていることはありますか?”って聞かれるのですが、私にとっては『日常生活』と『舞台に立つこと』が完全に地続きになっていて、区別がないのです。
 例えば、冷房の効きすぎている場所には怖くて行けないですし、喉に異変を感じたり風邪を引きそうになったらすぐにお風呂に入って温まる。家族で外食に出かけても、冷房が強いお店だったら私だけ先に帰ってしまうこともあるくらいです(笑)。
 毎日の発声練習、体型の維持、風邪を引かない──。これらは舞台のために特別にやっている努力ではなくて、何十年も続けてきた私の日常です」