“小さな選択を積み重ねてみる”ことで見えてくる、本当の心の声

 そんなとき、松田さんはこんな質問をしてみるという。

「カロリーや、栄養、お値段とか、そういったことを度外視して、いま何を食べたい? って。そうすると誰しもが、ちょっとワクワクした表情になるんです。私もときどき考えるんですよ。“いま、何が食べたいかなぁ”とか、“生産性や合理性を無視したら、何がしたいかなぁ”なんていうことを。そうやって、小さな選択を積み重ねてみると、“ああ、いまの私ってこんな感じなんだ”というのが見えてくることがありますね」

 いま食べたいもの、いまやりたいことを考える時間、それも、もしかすると「余白」なのかもしれない。

「ああ、そうかもしれませんね。現代って、余白をつくることが難しいですよね。暇……という言い方はちょっと違うかもしれませんけど、何もしていない時間が苦手という人は多いように思います」

 確かに、コスパ、タイパを重視し、電車の中でぼんやりと車窓を眺めるという贅沢(ぜいたく)な時間は減ってしまっている。

「何かしていないと、間が持たない。さかのぼると、スマートフォンの普及が大きな影響を与えているかもしれません」