退屈だった音楽学校の授業が一気に楽しくなった瞬間
──マインドがCHANGEしたタイミングはありましたか?
「予科生の終わり頃、“ん?演劇って面白いかも!”と急に何かが降ってきたように目覚めたと言いますか、そう思い始めた瞬間があったんです。そこから“感情を飛ばすっていうのは、こういうこと?”と、なんだか謎が解けるように演劇のことがわかってきて。どんどん面白くなっていきました」
──勉強も、分かるまでは大変ですが、一度理解すると一気に楽しくなってくると言いますよね。
「それからは授業が終わってからも、先生方を待ち伏せして質問しに行くのが当たり前になるくらい “演劇バカ”になりました。スポーツをやっていた時も“どうやったら今回の失敗を次に活かせるか”を考えるのが好きだったんですが、演劇でも“分からないことが分かる”感覚が心地よくてのめり込んでいきましたね」
──人に興味があったり、演技論を紐解いていくプロセスに面白味を感じたり、考察することが好きなのでしょうか。
「そうかもしれないです(笑)。例えば役を演じていると、人を殺めてしまうような、到底共感はできない役に出会うこともあります。でも、演じる以上はその人を理解しなくてはいけません。“なぜこの人はこういう行動を起こしたのか”“なぜこの瞬間に相手にこんな言葉を投げかけたのか”、と問い続けますね」
音楽学校時代に演劇の面白さに目覚めた珠城さんは、男役らしいスタイルと硬軟織り交ぜた演技で頭角を現し、2016年には月組トップスターに就任。“男役10年”と言われる宝塚で入団9年目でのトップ就任は快挙だったが、頂点に立ったがゆえの配慮や苦労も多々あった。