異例のスピードでトップ就任、意識したマネジメント術
──組を率いる上で、珠城さんが大切にされていたことは何でしょうか。
「宝塚は一つの組に80人近い劇団員がいます。それぞれが色々な役割を担っていますが、自分がトップだったときは、誰一人としてその存在を取りこぼしたくないと思っていました。
自分が入ったばかりだった頃、端っこの方にいてトップさんと目が合った時や、先輩と踊っている時にアイコンタクトをとってくださったりしたことが、すごく嬉しかったんです。だから同じことが自分にもできたらと思っていました」
──下級生の気持ちになってあげられたんですね。
「1時間近くの作品の中で、プロローグ・中詰め・フィナーレしか出番がない、なんて経験は私にもありました。出番がないと自分を過小評価してしまったり、存在意義に悩んでしまいますが、“組のみんながいてくれるから、私もトップを務められる”というのをどうしても伝えたくて。学年や立場は関係なく、自分から話しかけていきました」
──男役としてはどんなことを意識されていましたか?
「男役は舞台でも男役特有の“型”があって。女性が男性を演じているので、感動的なシーンであってもボロボロ泣いてしまうと女々しく見えてしまうと感じていました。私は涙もろいので、気持ちが入りすぎて泣きそうになってしまう時もありますが、“ここを超えたらセリフが言えなくなる、歌えなくなる”という限界点までまずは稽古場で感情を出してみます。そこから逆算して、気持ちがあふれすぎないようにコントロールしていました」
スポーツ少女から演劇の世界へ転身し、宝塚ではスターでいる重責との向き合い方も学んだ珠城さん。次回は退団後の葛藤やインタビュー中に流した涙のわけ、初出演したドラマ『マイファミリー』(TBS系)や『VIVANT』(同系)で共演した二宮和也さんの思いやりに感激したエピソードなどを語ってもらった。
(つづく)