つるむっていうのが私は本当に嫌
他に何かもっと楽しめることをやりたいって気持ちはありますけど、特別に趣味とかないんですよね。プライベートでも俳優同士で飲みに行くっていう人もいるけど、ああいうつるむっていうのが私は本当に嫌なんですよ。そういう場で、俳優同士で演劇論とか熱く語るっていうのがもう気持ち悪くて(笑)。監督とか裏方のスタッフさんと行くことはありますが、俳優同士では行きたくないって思っています。誘われることもないし、誘われたとしても「今日はちょっと……」とか言って、はぐらかすようにしていますね。だからホームパーティみたいなものもやらない。これまで私の家に来たことがあるのは、芸能レポーターの梨元(勝)さんぐらいかな。あ、この人は俳優じゃないか(笑)。
私には前向きに生きたいとか、そういうのがないんです。そのぶん、好きに生きたいんです。ボーっとするというか。と言っても、ただ本当にボーっとするんじゃなくて。たぶん私の頭の中では、何かのきっかけで、次から次へと、先のことが浮かんでくるんです。実際にやらなくても脳内でできちゃうから、それで済んじゃう。若い頃は突然話が飛んだりしてヘンな奴って言われたこともあったと思うんですけど、たぶんそういうことだったんじゃないかと、今になって思ったりしますね。だから趣味とか必要ないんじゃないかな、って。
プライベートでの転機といったら離婚したとき。結婚したことは思い出したくもないくらい嫌だったから、もう清々したよねって感じで。今思えば、このとき生まれ変わろうとしたのかもしれない。人生前向きじゃない私にとっては珍しいでしょう? でもこのときは私の脳内で何かが変わった気がしたんです。
烏丸せつこ(からすま・せつこ)
1955年2月3日、滋賀県生まれ。A型。T156。1979年に芸能界デビュー後、CM、ドラマ、映画など幅広く活動。 映画『海潮音』(80)で女優としてスタートを切り、同時期に『四季・奈津子』(80)で映画初主演し注目を集める。 近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説『スカーレット』、映画『64-ロクヨン-』(16)、『TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ』(16)、『祈りの幕が下りる時』(18)、『教誨師』(18)、『明日の食卓』(21)、『夕方のおともだち』(22)、『なん・なんだ』(22)、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(24)などがある。 映画『四季・奈津子』で日本アカデミー賞主演女優賞、新人賞、ゴールデンアロー賞新人賞、映画『駅 STATION』 (81)で日本アカデミー賞助演女優賞。
映画『八月の杜』
東京大空襲で記憶を失った文(烏丸)は慰霊大法要で訪れた際に宿泊したホテルの経営者・佳奈(菜葉菜)と出会ったことによって記憶を取り戻していく……。
監督:岩本崇穂
出演:烏丸せつこ/菜葉菜/上村侑/坂巻有紗/村田秀亮(とろサーモン)/白川和子
8月22日(土)より東京・新宿K’s cinemaほか
全国順次公開
配給:T-artist /ミカタ・エンタテインメント
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