エッセイの反響の大きさには、本当にびっくり
『大奥』では、撮り方も、流れではなくカットごとに分けてくださいとお願いしました。流れで撮ると、アドレナリンが上がって、本番中に思わぬ力が入ることがあるからです。
「インティマシーコーディネーター」のエッセイの反響の大きさには、本当にびっくりしました。
そのエッセイを『ベスト・エッセイ2025』に選んでいただけたのは、純粋に嬉しかったです。村上春樹さんや沢木耕太郎さんが名前を連ねているところに入れていただいて誇らしかったです。
子供が生まれたことも大きな転機です。頭の中にいろんな文章がわーっと出てくるようになったのはそこからなんです。この子が20歳になるとき、僕は70歳。それまで仕事もちゃんとしなきゃいけない、教育もして一人前にしなきゃいけない。
そうやって将来が見えたときに、自分の過去も見えた。自分がいかに恵まれてきたのか、いろんな方々との出会いがどれだけ僕を形成してきたのか。経験が積み重なって、心の中に入りきれずにボワッと燃えて灰になって、その灰も積もりきって、もう溜めきれなくなっていました。そこに子供が生まれて出口が開いた。外に出したいというより、もう書くしかない。その気持ちが、詩になり、エッセイになっていったんです。
髙嶋政伸(たかしま・まさのぶ)
1966年10月27日、東京都生まれ。俳優。父は俳優で司会者の高島忠夫、母は女優でタレントの寿美花代、兄は俳優の髙嶋政宏。1988年にNHKの連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』で俳優としてドラマデビュー。その後90年からTBSのドラマシリーズ『HOTEL』の赤川一平役で注目を集める。以後、ドラマや映画、舞台などで活躍し、人気を博す。私生活では2015年に結婚、17年に第1子、22年に第2子が誕生した。
髙嶋政伸さんのエッセイ『おつむの良い子は長居しない』(新潮社)は全国書店にて絶賛発売中!