「はたしてお前が本当に事件を解決したのか?(笑)」惨殺シーンの中で光る金田一の危うさ

──特に印象深かった場所はどこだろうか。

「やはり鍾乳洞ですね。『八つ墓村』の舞台ということを抜きにしても、『何だこの空間は!? こんな場所が日本にあるのか!』と圧倒されました。現場に行くには結構な山道を歩かないと辿りつかないのですが、金田一が劇中で初めて鍾乳洞に足を踏み入れた時のワクワク感や冒険心を、僕自身もリアルに体感できて楽しかったです」

──完成した本編をご覧になって、どのような感想を持ったのだろうか。

「見せ場の一つでもある“惨殺シーン”は、『昨今の厳しい表現規制の中で、よくぞここまで攻めてくれました!』と唸りました。僕は結構エグい表現の映画も好きなのですが、惨劇シーンには金田一は居合わせないので、現場がどうなっているのか観るまで分からなかったんです。さすがはホラーの巨匠・清水さんだなと圧倒されました。 
 それから改めて思ったのは……こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、金田一シリーズの面白さって『はたしてお前が本当に事件を解決したのか?』というところにもあると思うんです(笑)。たいていの探偵ヒーローと違って、彼は犯人の情念に翻弄されっぱなしで、後手後手に回り、気付いた時には手遅れで人が死んでいる。金田一が出てこないシーンもたくさんあって、全体のトーンがどう映像化されているのか想像がつかなかった分、完成品を観た時はものすごく斬新で面白かったです」

尾上松也 撮影/冨田望