泣いている姿を見せることへの抵抗感がなくなったのは27歳のとき
泣いている姿を見せることへの抵抗感がなくなったのは、27歳のとき、ドキュメンタリー番組『世界ウルルン滞在記』(TBS系)に初めて出演したときのこと。南米・チリの沿岸の村でカニ漁に行った回でした。
すぐ近くには南極大陸があるという、冷たい海に潜ってタラバガニを獲るといった内容だったんですけど、このロケで、これでもかっていうくらい泣いちゃったんですよ。
ロケ中はずっとマネージャーもいないし言葉も分からないし……不安で寂しかったんです。そんな中、ホームステイ先の家族が、見ず知らずの他人である私に毎日ご飯を作ってくれて、言葉が分からないながらも、ペンで書いてなんとかコミュニケーションをとろうと一生懸命にしてくれる。そんな生活を10日も過ごしていたら絆も生まれて、ロケが終わるときには、「やっと帰れる」という安堵と「ありがとう」という感謝で涙が込み上げてきちゃったんです。
それをスタジオで見ていた徳光和夫さんたちが「すげえキャラの男が出てきたなあ」って言ってくれた。『ウルルン〜』って、テーマに “涙”というのもありましたから、そこからは準レギュラーみたいな形で呼んでもらった。この一件が、今の『照英』の始まりだったのかもしれません。そのあたりから、自分が涙もろいことが周囲にバレていたようです。
ちなみに当時、実は役者の稽古だったり、プレッシャーだったりで苦しくて、そこから“逃げたい”という気持ちもあって……。それがあの番組に参加した理由の一つでもあったんです。海外ロケなら、何のしがらみもなくて干渉もされない。だから楽になれるかなと思っていた。あの頃が自分の人生の中で一番ガツガツしてたのに、そんな事情もあったものだから、いろんな感情が相まって、出演するたびに涙が止まらなくなっていたんです。
照英(しょうえい)
1974年生まれ、埼玉県出身。元陸上競技・やり投の選手で、1996年の全日本学生選手権とひろしま国体のやり投で準優勝の経歴を持つ。自己ベストは73m90。大学卒業後、恵まれた体躯を生かし、モデルとして活動。1997年に単身渡米するなどの経験を活かし、数々のコレクションに出演を果たす。1998年、スーパー戦隊シリーズ『星獣戦隊ギンガマン』(テレビ朝日系)で俳優デビュー。2002年から約5年間、『水戸黄門』(TBS系)に風の鬼若役で出演。その後は俳優・タレント活動だけでなく、司会・デザイナーなど活動の場を広げる。私生活では2005年に結婚。2007年に第1子(長男)、2010年に第2子(長女)、2016年に第3子(次女)が誕生。3児の父としての経験を幅広く伝える活動も行っている。