一番近くでウルフを支えた妻が語る「忘れられない光景」
史上3位となる通算31回の幕内優勝、1988年の驚異の53連勝、そして1989年の角界初となる国民栄誉賞受賞。そんな「ウルフ」の数々の激闘を一番近くで支え続けたのが、妻であり、後に九重部屋のおかみさんとなる秋元久美子さんだ。
久美子さんは、大横綱として駆け抜けた千代の富士関との思い出について、「たくさんあり過ぎます(笑)」と前置きしつつ、こう振り返る。
「200キロ超えの新鋭・小錦さんとの初対戦(1984年秋場所)の時や、三女の愛を4か月で亡くした後の名古屋場所で優勝(1989年7月)したこと、そして引退後に愛弟子の千代大海が初優勝(1999年初場所)を果たした時は、特に忘れられないですね」
家族として、そして部屋のおかみさんとして、栄光も苦悩も共に分かち合ってきた。
しかし1991年夏場所、当時18歳だった新鋭の貴花田(後の横綱・貴乃花)に敗れた直後、「体力の限界……気力もなくなり、引退することになりました」と涙ながらに語った会見は、今も多くの人の脳裏に焼き付いている。
引退後は九重部屋を継承し、後進の指導に情熱を注いだ千代の富士。しかし、2016年7月31日、膵臓がんのため61歳の若さでこの世を去った。
早すぎる別れから年月が流れた今、彼が愛し、私財を投じて建てた「九重部屋」は、遺された家族の手によって驚きの「CHANGE」を遂げていた。
(後編へ続く)
〈トピックス〉
※千代の富士の師匠「千代の山」(第41代横綱)の生誕100年を記念した企画展が9/13~12/17の期間、相撲博物館で開催中。戦後の大相撲界を支えた大横綱の一人であり、引退後は九重親方として、北の富士や千代の富士を育てたことでも有名だ。
[お店データ]
ちゃんこ千代の富士
住所:東京都墨田区石原4-22-4
電話:03-5608-0404
営業時間:木・金・土・日(夏季)17:00~22:00(L.o 21:00)
※夏季(7、8月)以外の定休日は、火曜、水曜
公式HPより:提供するちゃんこ鍋は、九重部屋の伝統の味。元部屋のちゃんこ番が腕を振るう、上品かつ深みのある塩ベースのスープをお楽しみください。