トップアイドルから存在感ある俳優へと歩みを進めた齋藤飛鳥と、実直なバイプレイヤーとして進化し続けてきた富田望生。同世代のふたりが、10月2日から放送のドラマ24『まめとむぎ』(テレビ東京・BSテレビ東京)でダブル主演を果たした。
今作は、“発酵食品”や人々との交流を通して、ちょっと風変わりだけど、失敗しながらも一生懸命に生きる女性たちのドラマ。取材時には、どこか似た素朴さを感じさせたふたり。作品を一緒に作るなかで感じたこと、自然体でTHE CHANGEするためのヒントを余すところなく聞いた。【第2回/全2回】
原作は、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』ヒットでも知られる人気マンガ家・谷口菜津子さんの同名コミックのドラマ化作品。夢にも恋愛にも破れ、人生のどん底に落ちた元ファッション誌編集者で30歳の清水麦(齋藤)、発酵食品が大好きで居酒屋・大豆堂を切り盛りするも集客に悩む23歳・米田まめ(富田)という対極的な二人が出会い、店の改革に奮闘していく。
──原作は『じゃあ、あんたがつくってみろよ』がドラマ化され、話題を呼んだ谷口菜津子さんの作品です。谷口さんの作品にはどんな魅力を感じますか?
富田「もう……登場人物みんなが愛おしいですね。一見、クセの強いキャラクターにも、どこか愛すべき丸みを感じるところが、谷口先生の作品のひとつの魅力だと思います。登場人物の変化が、料理でいうと塩こうじを入れたような描写で。“生活のなかで、硬い部分がほぐれていきながら成長していく物語”っていうのが、共通していると思います」
──それは、物語を演じる側としても実感するのでしょうか?
富田「実感します! ご飯を食べる瞬間も、誰かの心と対面する場面でも。誰かがほぐれていく様子を見ているだけでも、自分自身もほぐされて、温かく照らされているのを感じました。そうやって進んでいく物語だよね?」
齋藤「うん。私は、人は変わらなくたって生きていけるし、誰かから影響を必ずしも受けなければならないわけではないと思っていますが、谷口さんの作品は、“自然に”ほぐれていく。愛情深い作品が多いなと感じてます」
“発酵”が大豆堂の料理を彩っていくが、微生物が作用する発酵は、腐敗と同じ化学変化でもある。人生にも、“一見大変だった出来事でも、その経験がいまの自分に生きている”というような経験があるかもしれない。
──過去の経験を振り返って、自分にとって必要だった“発酵時期”はありますか?
富田「10 代から学園ドラマに出演する機会に恵まれたのですが、当時同じように電車で通っていた共演者の方々が、次々にブレイクして、久しぶりに会うと車で移動するようになっていて。そのときは、私だけが変わらず電車で帰ることを寂しく思ったし、焦ってもいました」