70歳を過ぎてもCGなし!

――同年代に向けて真摯でいる姿勢が、また新たなファンを獲得していくんですね。

「ウケればラッキーですね」

柴田「ね。(舘さん)元気でしょ」

「もっとモテればいいな。下心満載!みたいなね(笑)」

柴田「70歳過ぎてますからね。走るの、遅くていいんです。アクション、負けていいんです。だってスーパーマンじゃないんだから。僕たちはあえて、CGを使ったり、ワイヤーアクションとかもやっていません。ちゃんと頑張って動いてます。もちろん昔ほど動きにキレはないし、走ったら遅いです。でも一生懸命やってます。舘さんに“老けたな”って言ってくださいって、アドリブで言ってもらったんです」

「言ったよね。“老けたな、ユージ”って(笑)」

 本編途中、激しい銃撃戦が登場する。そこでタカとユージはアクションを披露。「老けたな」とぼやく。『あぶない刑事』は全編にわたりアドリブが満載だというが、銃撃戦のさ中に繰り広げられるクスっとするそのやりとりもアドリブだったとは。さらに、それでも敵に立ち向かう姿には、同世代へのエールが込められていた。ちなみに年齢をぼやくタカ&ユージのやりとりにはつい笑ってしまうものの、正直、年齢を増してさらにかっこよくなったようにしか見えない。

舘ひろし(たち・ひろし)
1950年3月31日生まれ、愛知県出身。76年に映画『暴力教室』で俳優デビューを飾る。ドラマ『西部警察』をきっかけに石原プロに入社する。36歳の時に『あぶない刑事』のタカ役でブレイク。18年には『終わった人』で第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞した。近年の主な映画出演作に『アルキメデスの大戦』『ヤクザと家族 The Family』、土方歳三を演じて話題を呼んだ『ゴールデンカムイ』など。現在、ドラマ『ブルーモーメント』に出演中。

柴田恭兵(しばた・きょうへい)
1951年8月18日生まれ、静岡県出身。1975年に劇団「東京キッドブラザーズ」に入団。1986年、ユージを演じたドラマ『あぶない刑事』でブレイク。ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハゲタカ』など、さまざまな作品で演技派として認められている。主な出演映画に『野蛮人のように』『福沢諭吉』『集団左遷』『半落ち』『北のカナリアたち』など。今年2月から放送されたドラマ『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』での演技も支持を集めた。

●作品情報
映画『帰ってきた あぶない刑事』
https://abu-deka.com/
監督:原廣利
脚本:大川俊道
出演:舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、土屋太鳳、西野七瀬、早乙女太一、ベンガル、長谷部香苗、杉本哲太、岸谷五朗、吉瀬美智子
(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会
配給:東映
5月24日(金)公開