『3年B組金八先生』の長ゼリフを覚えることができたのは……

 そこから私の好奇心は異常に膨らみました。自分の知りたいこととか興味を持ったことに関しては、もの凄くよく調べるようになりました。そういう性格になったんですね。残念ながら学校の成績とは何の関係もありませんでしたが……。

 でもそれが後々役立つことになります。東西の偉人の人生をすべて暗記したということが、“金八先生”の長ゼリフに耐えうる記憶力を鍛えたんでしょうね。

 そして頭の中に200人近くの偉人の人生がすべて入っていたというのは、おそらく当時から私は、“誰かの人生をたどりたかった”のでしょう。それが私が与えられた“演じる”という想像力につながっていったんだと思います。

 5月20日に発売した『花咲けじいさん 人生後半の教科書』という本を書かせていただくチャンスに恵まれ、この本も読書を通じて得た知見をもとに“老い”とどう向きあっていくかについて考えました。読書は私にとって人生を歩んでいくうえでの最高の友であり、本の中を訪ね歩くという行為がすごく面白いんですよね。

 70代の後半ぐらいになると、子どもの頃の出来事がその後の自分の人生に色付けをしていることが、ありありとわかるようになりました。

 私の人生を決定づけたのは、小学校6年生のときに読んだ偉人伝。あのとき出会った1冊が私を変え、ずっと私の人生を支配し続けているんじゃないかなあ。

書籍概要
【タイトル】『花咲けじいさん 人生後半の教科書』
【著者】武田鉄矢
【発売日】2026年5月20日
【判型】四六並判
【ページ数】224ページ
【定価】1,760円(税込)
【出版社】双葉社