“ミステリーの女王”山村美紗氏の長女として生まれ、女優→マルサの女→主婦→女優と激動の人生を送り、65歳にして小説家デビュー!THE CHANGEしつづける山村紅葉、最大のTHE CHANGEは————!?【第2回/全3回】
“ミステリーの女王”山村美紗氏を母親に持つ女優・山村紅葉が初めて出版する長編小説『祇園の秘密 血のすり替え』は、歌舞伎の名門と祇園の老舗置屋との間でくり広げられる、禁断の血のすり替えミステリー。伝統ある名門だからこその誇りや苦悩がリアルに描かれているのは、彼女自身が「名門」と呼ばれる環境で育ったからに他ならない。
「名門かどうかはわかりませんが、母は著名な作家で、祖父は京都大学の名誉教授、叔父も北海道大学の名誉教授だったり、いとこたちに研究者がいたりと、やはり『ごく普通の家庭』というのは語弊がある一家ではあります」
そして、紅葉自身は山村美紗原作のドラマで女優デビューし、その後も母親の小説が原作のドラマに数多く出演してきた。
「そんなこともあり、『紅葉さんは、何の苦労もない幸せな人生でいいわね』なんて言われたこともありますけど、そういう家だからこそのしんどさはありました」
学業が優秀なのは当然で、容姿に優れ、スポーツ万能なのも、当然……。
「なのに、私だけが、運動が苦手で、絵もピアノもうまくできない。母やいとこたちみたいに特別な才能が欲しいと願ったし、期待に応えられないつらさから『普通のおうちに生まれたら、こんなコンプレックスを抱くことは無かったのに』と恨めしく思うこともありました」