24歳のときに『お笑い大集合』(フジテレビ系)に出演し、実質的な芸能界デビューを果たした片岡鶴太郎。その後『オレたちひょうきん族』などで国民的お笑いタレントとなり、俳優へ転身。1988年にはボクシングのプロライセンスを取得し、画家、書家、さらにはヨガ実践家としてもインド政府公認のインストラクター資格を取得するなど、唯一無二の才能を発揮し続けている。
71歳となった現在も進化を続ける彼に、人生の「THE CHANGE」を聞いた。第2回では、周囲から重病説が流れたほどの過酷なボクシング特訓の裏側と、多才な挑戦を後押しする「腹の主」の存在、そして最新出演映画について迫る。【第2回/全2回】
「あいつ病気なんじゃないか」重病説も。65キロから52キロへ、32歳で挑んだ極秘のボクシング特訓
もともと子どもの頃からボクシングも好きだったんです。そのとき、32歳。当時、プロのライセンスを取れるのが33歳まででした。そこで1年間かけて、ライセンスを取るための秘密練習を始めたんです。
相談したのは、ごく限られた人、『鶴ちゃんのプッツン5』(日本テレビ系)のレギュラーだったトカちゃん(渡嘉敷勝男)とチャック・ウィルソンさんだけ。トカちゃんにはボクシングの基礎を、チャックには筋トレを叩き込んでもらいました。楽屋に2時間くらい早く入ってもらってね(笑)。
練習自体は大変でしたけど、苦しいというよりむちゃくちゃ充実していました。65キロあった体重を52キロまで絞りました。あまりに急に痩せたものだから、「あいつ、病気なんじゃないか」と重病説が流れましたよ(笑)。そしてプロライセンス試験を受ける前日に「明日、3時から試験です」と公表したら、当日、生放送でマスコミが殺到しました。
体を絞ったことで、役者としての仕事も少しずつ変わっていきました。実際、あの体があったからこそ『異人たちとの夏』(1988年公開映画)のような役にも恵まれて、賞までいただくことになった。ボクシングと役者、まるで別のものに見えるかもしれませんが、私の中ではあのとき、ちゃんと合致していたんです。