近年では映像作品への出演も目覚ましく、映画『新幹線大爆破』(Netflix)やドラマ『ミステリーと言う勿れ』(フジテレビ)、さらには実写版『モアナと伝説の海』でのマウイ役の吹き替えなど、歌舞伎の枠を越えたマルチな活躍を続ける尾上松也さん。5歳の初舞台から、確かな表現力で若手歌舞伎俳優陣の先頭を走り続けている。

 ミステリー大作『八つ墓村』(2026年9月18日公開)では名探偵・金田一耕助を熱演している松也さん。劇中では「血筋や因習」に縛られた村の悲劇が描かれるが、松也さんご自身も400年続く「歌舞伎」という伝統を受け継ぐ立場にある。インタビュー最終回となる第3回では、アニメやゲームと融合する「新作歌舞伎」への果敢な挑戦と、古典継承への熱い思いなど、表現者・尾上松也の神髄に迫る。(第3回/全3回)

尾上松也 撮影/冨田望

 近年、歌舞伎以外のステージや映像作品でも八面六臂の活躍を見せる松也さん。俳優として大きな転機となったもう一つの作品が、2015年に上演された新作歌舞伎『あらしのよるに』だ。木村裕一氏が手がけた大ヒット絵本を原作に、狼のガブと山羊のメイの種族を超えた友情を描いた感動作である。松也さんが演じたのは、ヒロイン(?)とも言える山羊のメイ役だった。