最初は問題ない放射線治療も「最後の5回ぐらいはへトへト」

 私の場合、早期だったことやがんの場所など、総合的に考えて部分切除でいいという判断でしたが、だったら、温存でいきますって最初から言ってくれりゃいいのにね。ただ病院としては、一応いろんな方法があることを紹介しなくちゃいけないんですよね。

 3月頃にわかってから、最初の手術はGW中に済ませました。取り切れてなかったということで、1か月後に2回目の手術をして、2回で合計10日間ぐらいの入院です。私は抗がん剤をやっていないので、治療中の副作用も特にありませんでした。

 放射線治療は28回で、毎日1分間だけ照射します。無味無臭でなんということはないんですけど、「治してやるぞ」と意気込みすぎちゃって、最後の5回ぐらいはへトへトに疲れてたな。8月の暑い時期で、毎年夏になると“頑張ってたなぁ”と思い出します。

 お医者さんとは単なる質疑応答ではなく、「お話すること」を大事にしていました。

 先生も人間です。病院や先生は患者の味方です。患者は常に不安なものだし、ついネガティブになって、悪い方へ悪い方へと背負いこんじゃう。でも、不安なことは全部先生が持っていってくれるから、自分は健やかにいればいいだけです。ただこれは、20年経ったから言えることなんですけどね。

 いろんな先生との出会いがありますが、共通して印象的だった言葉は「大丈夫」です。

 私はよく、「先生、私は大丈夫?」と訊いていて、どの先生も「大丈夫」と即答してくれました。これは本当に心強かったです。即答、大事ですね。考えてからの「大丈夫です」は信用できないでしょ(笑)。先生に迷いを感じたら、こっちは「もうだめか」と思っちゃうじゃない。先生の「大丈夫」は、何回も救われました。

山田邦子 撮影/河村正和