「悪口を言う人や苦手な人にも付き合ってるヒマはありません」
がんになって、自分の内面も180度変わりました。まず、病院で見た光景は忘れられません。ものすごく混んでいて、「世の中には、こんなに闘っている人がいたのか」と……。がんだとわかった時は、正直、神様は意地悪だなって思いましたよ。なんで私なのかと孤独感すら覚えました。だけど病院には、小さい子もお年寄りも、そして介護や付き添いの方も、ありとあらゆる人が、それぞれの人生を抱えて生きている姿がありました。
私はピン芸人で、それまで自分の力で頑張ってきたという自負があったから、くすぶっている人を見ると「頑張んなよ」「頑張りが足りないんだよ」なんて簡単に言っていたけど、人というのは、色々と抱えながらも頑張れる範囲で頑張っているんだということを教えられましたね。さらに乳腺外科に行ったら、乳がんの仲間がたくさんいる。私だけじゃなかったんだと思えたし、初めて「仲間」を感じた瞬間でもありました
考え方も、どうでもいいことは、もうどうでもいいと思えるようになりましたね。よく考えたら46歳はいい大人なんだけど、それまで「家がもうちょっと金持ちだったら」とか、「もうちょっと美人だったら」とか妄想がやめられなかった(笑)。
人のせいにするのはきっぱり終了。悪口を言う人や苦手な人にも付き合ってるヒマはありません。「なんでこの人はこうなんだろう」と考えるのも面倒です。がんになってよかったのは、今後自分がどう生きていけばいいかがハッキリわかることですね。自分はこういうところが恵まれていたんだなとか、応援してくださってる人を大切に、何をやりたいのかをシンプルに考えられるようになりました。
(つづく)
【公演概要】
『南四局は終わらない』
作・演出=田村孝裕(ONEOR8)
日程:2026年11月5日(木)~16日(月)
会場:浅草九劇
出演:津嘉山正種、片岡富枝、髙橋ひろ子、嶋崎伸夫、井上智之、ひがし由貴、篠塚勝(青年座映画放送)、松熊つる松、尾身美詞、瀬田ひろ美(劇団キンダースペース)、山田邦子
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