どのジャンルの料理も劇的においしくなるお手頃野菜「食材というより“うま味調味料”」
「西洋料理のテクニックは、他のジャンルに応用しやすいものが多いんですよ。今回のパスタ本のほとんどのレシピに使っている、スライスした玉ねぎと、みじん切りのエノキダケは、フランス料理のシャンピニオン・デュクセルというものがベースになっています。
これは、数種類のキノコと玉ねぎをよく炒めて、ミキサーでペースト状にしたもので、生クリームやトマトソースを足してソースにしたり、ハンバーグに入れたりすると、劇的においしくなるんですね」
とはいえ、家庭で作るには手間暇がかかるシャンピニオン・デュクセルを簡素化したのが、玉ねぎとエノキダケだったという。
「玉ねぎは、あらゆる料理に使うので、馴染みのある食材ですよね。そして、エノキはどこのスーパーにもあるし、100円ちょっとくらいと安価で、ほぼ端から端まで使える。長いままでも、細かく切っても使えて、かさ増し効果があり、しかも栄養価が高い万能キノコです。そして、先端の丸っこいところがかわいい(笑)
僕にとって、スライス玉ねぎとみじん切りエノキは、全てのお料理の……この表現が正しいかどうかわからないですけど……下着みたいなものなんですよ」
お料理の……下着?
「そう(笑)。服を着るとき、素肌に直接よりも肌触りの良い下着を着てからの方が、着心地がよかったりしますよね。それと同じで、スライス玉ねぎとみじん切りエノキがベースにあると、合わない料理を探すのが大変なくらい、ほぼ全ての料理がワンランク旨くなるんです。ですから、僕の中では食材というより“うま味調味料”といった感覚ですね」