“不安を取り除くための因数分解”をして、一歩一歩目標や夢へと歩を進めていった

 当時の松田さんは、美容師として充実したキャリアを重ねていて、もっと責任のあるポジションへという話が具体的になっていたタイミングだったという。

 安定した仕事や生活をおいて新たな世界へ踏み出すことに、不安はなかったのだろうか?

「不安がなかったと言ったらウソになりますけど、それほど大きくはありませんでした。なぜかというと、不安を取り除くための因数分解をしていたからです」

──因数分解?

「上京の一番の目的は、ヘアメイクアップアーティストの仕事をしたいということでしたから、そのために“今日、自分は何ができるか”を分解して、ひとつひとつ実行したんです」

 具体的にはどんなことをしたのだろう。

「まずは、自分がやってきた仕事を見てもらうことが、次の仕事へのステップになると考えたので、BOOK(それまでの実績をまとめたもの)作りをしようと思いました。撮りためていた写真を整理するところからスタートして、次にBOOKを誰に見てもらいたいかを考える。今度は、その人にたどり着くにはどうしたらいいのか? 繋がっていそうな知人はいるか? ……というふうに、順序立てていくのです」