「あまりにも衝撃で」舞台『water』のはじまりは、プライベートで鑑賞したマームとジプシーの公演

『water』という作品のはじまりは、丸山が友人に誘われ、藤田貴大氏が率いる演劇団体マームとジプシーの公演を観に行ったことがきっかけだった。

「コロナ禍で、やっと少しずつ舞台公演ができるようになってきた時期でした。藤田さん独特のリフレインをくり返す手法は、自分の身の回りで起きている出来事や、自分自身までも見直し、考え直させる力があって、なんだろう……“腑(ふ)に落ちる”というのが、一番近い感覚でした。それがあまりにも衝撃で。そのあと『cocoon』という作品を京都の劇場で観て、“ああ、やっぱり(胸に)迫るものがあるな”と。そのときにご挨拶(あいさつ)したのが、藤田さんとのファーストコンタクトです」

 それからしばらくして、丸山は藤田氏の事務所に招待される。ちなみに、藤田氏は丸山より2歳年下の、同世代である。

「初めて訪ねたにも関わらずすっかりくつろいでしまい、スタッフの方々も交えて、ただひたすらおいしい料理をいただき、お酒を飲みながらいろいろな話をしました。お互いの身の上話やら、最近感じていることやら。ほんまにもう、居酒屋がたまたま事務所やったという感じでしたね(笑)。だから、一緒に何かやりましょう、みたいな話しもしてなくて、ぼくとしては“やったー! 飲み友だちが増えた!”みたいな感覚でいたので、舞台のオファーをいただいてびっくりしました」