舞台は半自叙伝「感慨深かったですね」藤田氏とふたりで京都に足を運び、思い出の地を巡った
ちょうどそのころ、藤田氏は“京都”という場所が京都水盆(※)である点に、興味を持っていたという。そして、ご存知の通り、丸山は京都出身である。
※京都の盆地の地下に琵琶湖にも匹敵する水量の地下水が蓄えられているとされている
「どうやら、藤田さんの中でこのふたつが繋がったみたいです。いや、もしかすると、本人に聞いたらもっと深い別の動機があるのかもしれないけど」
こうやってスタートした『water』は、丸山隆平の記憶……ノンフィクションと、藤田氏が紡(つむ)ぎ出すフィクションが入り交じった、半自伝的作品となって、この秋、上演されることになる。
ふたりは、何度も対話を重ね、京都に足を運んで思い出の地を訪れた。
「完全にぼくのコーディネート(笑)。効率の良い順番を考えてまわり、“疲れたね”となったら、喫茶店でひと休みして。ぼくは、中学生くらいから仕事であちこち行きながら、20代の半ばまで京都を拠点に活動していたわけですが、この年齢になって改めて地元巡りをしてみて、当時は行動範囲が狭かったな、と感慨深かったですね。地元だけですべて事足りていて、すごく幸せで楽しい日々を送っていたな、と」