2024年1月、ステージ4の下咽頭がんを公表してから2年半が経った見栄晴さん。高校生の時に芸能界入りし、タレント稼業40年超。どうしても声を失いたくなかった見栄晴さんの、がんを乗り越えて得た“THE CHANGE”とは。【第1回/全3回】

見栄晴 撮影/河村正和

 がんに関して、僕はまるで知識がありませんでした。

 よく「闘病」というけれど、“闘った”意識はまるでないんです。がんって、診断されて初めて「がん」を認識するじゃないですか。僕の場合、そこから治療終了までがあっという間過ぎて……。

 ずっと前からがんは身体の中にいたんだろうけど、俺ががんだとわかったのは2024年の1月のことでした。治療法は手術か放射線+抗がん剤治療か。手術だと再発率は下がるけど、声帯を根こそぎ取る。だとするなら、僕は放射線+抗がん剤治療一択でした。曲がりなりにもタレント稼業を40年以上やってきて、声がなくなるのは厳しい。それからはもう、高速ベルトコンベアに乗っかった状態です。あれよあれよという間に検査や治療が進んでいきました。

 結果、お医者さんをはじめみなさんの力で、4月の頭には治療が終了し末には仕事復帰しました。その期間、正味100日。だから、自分の認識として「がん」だったのは100日間だけなんです。