「ろくにお笑い番組を見たこともなかった」
当時は『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)ブームで、お笑い講座は大人気。教室には40人ぐらいいて、20代が多かったです。あとから聞いたら、そこにマシンガンズもいたらしい。
早速「なんかやってくれ」と言われた時、その日つけたテレビ番組に出ていたデーブスペクターさんを見て、なんだかお風呂上がりっぽいなと思ったことを思い出しました。そこでみんなに、「私だけでしょうか、デーブスペクターさんが、いつもお風呂上がりに見えるの」と話してみら、すごく笑ってもらえたんです。私は親に「置物」と言われるぐらい、普段思ってることを言わない子だったので、この体験は新鮮でした。
その時いた子から事務所オーディションというものがあることを教えてもらい、ホリプロを受けたら合格。事務所ライブに出たら、『ブレイクもの!』(フジテレビ系)という深夜テレビのディレクターさんがいて、そこに呼ばれて……。番組ではお客さん投票で5週勝ち抜きチャンピオンになりました。持ちネタなんてないから、全部ぶっつけ本番です。
元々カルチャーセンターでボソボソと喋っただけだし、下積みも何もない。チャンピオンのご褒美は1本ネタの5分ネタで、すでに出がらしの私にはすっごいありがた迷惑でした(笑)。うわーいらないなーと思ったんですけど、頑張りました。その後『ボキャブラ天国』に呼ばれるようになって……指が治るより、お笑いの仕事の方が早く進んでいったんです。たった2、3か月の間に、周囲の環境が激変しました。
ろくにお笑い番組を見たこともなかったし、小さな頃から好きなのは『水戸黄門』(TBS系)とメロドラマ。だからお笑いとはどういうものかも全然知らない。よく「テンション低いね」とか「引き芸」だとか言われたんですけど、計算やテクニックでもなんでもなく、素のままだったというだけです。