若くして注目を浴びた女性ゆえの苦悩
メディアへの露出が増えたことで、三宅さんは“推す側”から“推される側”の立場にもなった。実際、ファンから「三宅さんが紹介していたからこの本を読みました」と言われることもあるそうだ。
アイドル好きで“推す側”だったが“推される側”に──。今度は自身がアイドルのようになった感覚にはならないのだろうか。訊ねると、三宅さんは照れ笑いを浮かべながら否定した。
「全然違うと思います。まあ結局、出演する自分よりも、自分の書いたもののなかにしか、自分の本体は存在しないんだな、と感じるんですよね。
こないだ嬉しかった感想が、『三宅はいけ好かないけれど、本は面白かった』という投稿。過去1番かもしれないくらい嬉しかったんですよ(笑)。本の力ってすごいなって感じました。自分よりも大きい作品を書けるようになりたいです」
書評や評論の世界では、いまなお「女流作家」「女性評論家」といった呼び方が残っている。若くして注目を集めた三宅さん自身も、性別による見られ方を意識することがあるという。
「メディアに出るようになって、女性のほうがプライドの高さが目立ちやすいのかなと感じるようになりました。
例えば、若い女性がプライド高そうに見えると、妙に嫌な感じに映ってしまう。見慣れてないからかなとは思うのですが。女性だけでなく若者は謙虚な姿勢を求められがちなのも難しいですよね。堂々としている姿勢って、まだまだ日本では居づらいんじゃないかなと思います。試行錯誤しつつ、頑張りたいですね」
ようやく女性初の総理が誕生した日本だが、まだまだ変化の必要性があるのだ。
(つづく)
■書籍情報
『推したちとどう生きるか』
著:三宅香帆
出版社:新潮社
定価:1034円
電子書籍価格:1034円
発売日:2026/07/17
電子書籍配信開始日:2026/07/17

