不慣れな土地で初めて覚えたフレーズは「Can I have one?」
そんな美雨さんが、現地で 最初に覚えた英語のフレーズには、なんともほほ笑ましいエピソードがある。
「初登校の日、母(矢野顕子さん)は、英語で“トイレはどこですか?”と書いたカードを作って手渡してくれました。休み時間になると、“Can I have one?”と言いながら、周りの子がおやつを交換し始めたんです。“それ一個ちょうだい”という意味なんですが、“これを言えばおやつがもらえるんだ”と思ったんですよ。人生で最初に覚えた英語のフレーズです(笑)。
そこから、いろいろ体験しながら覚えていきました。例えば日本では、“ペンを貸して”と言われて、誰かに貸してあげたら、自然と返してもらえますよね。でも、アメリカでは黙っていると返してもらえないんです。自分から言わないと何も起こらないという、アメリカのカルチャーの洗礼を受けました」
ドキドキしたりワクワクしたりしながら、ニューヨークで異文化体験をしたことは、いまの美雨さんの根っこにつながっているという。
「私もそうですし、それぞれがみんな違う場所からその学校に来ていました。さまざまな人種やバックグラウンドの人が一緒にいるので、それぞれ考え方も異なるんです。学級では、時事的なニュースなどを取り上げた授業などもあり、必ず“あなたはどう思う?”と、意見を聞かれます。幼くても自分の考えや意見を持つことを求められ、友達であっても意見が異なっていることはよくありました」