自身の信念を打ちのめされるような出来事を前に「毎日打ちのめされるような気持ちに」
世界情勢と言うと、やや堅苦しく感じるかもしれないが、好きなアーティストやアイドル、俳優を応援するためにグッズを買ったりする、“推し活”にも通じる話だったりする。環境に良い活動を積極的に行っている企業の商品を買うことで、自分も買い物を通じて社会に貢献できるから気分がいい。その逆もまた、真なりなのだ。
「2023年10月以降、ガザへの攻撃が激化しましたが、パレスチナをめぐる問題はそのとき突然始まったものではなく、長い歴史があります。それを最近まで知らなかった自分に対して、すごく恥ずかしくなりましたし、パレスチナについていろいろと調べるうちに、“自分は加担する側だったかもしれない”と、ハッとしたんです。そうしたことから、“真実”について考えるようになりました。
それまで私は、ずっと人間の良心を信じていて、“人は優しくし合いたいものなんだ”と思って生きてきました。だから、パレスチナの事態がどんどん悪化することに、本当に苦しくなりましたし、つらい現実を目の当たりにすると、希望が見えなくなってくるんです。また、“こんな世界で私は子育てをして、娘を生かしていかなければいけないのか”と考えると、毎日打ちのめされるような気持ちになりました。そうなると、もう、歌っている場合じゃないというか。何を歌えばいいか、分からなくなってしまったんです」
自分の信念を揺るがす出来事を目の当たりにし、身動きが取れなくなってしまった美雨さん。心を再生させ、一歩ずつ進もうと思えたのは、近しい人たちとの、確かで温かな関係性だったそう。