「やっぱり私が信じていた、みんなが思いやり合う世界はあり得るんだな”という実感が持てました」ニューアルバム『Something True』のタイトルの由来
そんな中で、再び音楽に向かうきっかけになったのが、近しい人たちとの確かなつながりだった。それが、今作に参加する森山直太朗さんや、映画『国宝』の主題歌『Luminance feat.井口理』でタッグを組んだ、原摩利彦さんたちとのつながりだった。
「それでも、やっぱり私は、人間は優しくし合いたいものだと信じたいんです。原摩利彦さんや直太朗さん、伊藤ゴローさんといった仲間のミュージシャンをはじめ、いろいろな方としゃべったり音楽を作ったりする中で、ちょっとずつ“あ、こういう繋がりは本物だな”とか、“こんな世界の中でも、やっぱり私が信じていた、みんなが思いやり合う世界はあり得るんだな”という実感が持てました。
直太朗さんと作った『食卓』にもあるように、家族だけじゃなく、家族のような人たちとの繋がりや、家族じゃなくても心から思い合える人がいる。この作品が完成したとき、“私だけの、確かな真実を集めたアルバムができたな”と思えたので、制作の最後に、タイトルを『Something True』に決めました」
今作では、おしゃれでちょっぴりユーモラスな『カレー屋の娘』や、美しく透明感あふれる『美しい雨』など、全11曲中4曲に森山直太朗さんが参加。旧知の間柄だったが、ともにじっくりと制作するのは、今回が初めてだったそう。なぜ、このタイミングでコラボが叶(かな)ったのだろう?
「これまで、いろいろなメディアやライブで共演したり、母親同士が『やもり(森山良子と矢野顕子) 』というユニットを結成していたり(笑)。そもそも私たちは、育ってきた境遇も似ています。なので、ずっと親しみを感じていましたが、本当の意味で心許せる仲間になれたと感じたのは、新型コロナウイルス感染症禍だったと思います」