「緊張もしましたね」時を超えた父・坂本龍一氏との共演にプレッシャーも

 さて、美雨さんの最新作には、龍一氏がプロデュースした、歌手の元ちとせさんの『静夜曲』のカバーも収められている。当時のレコーディングでは、龍一氏自らがピアノを演奏しており、そのトラックが今回のカバーにも使われているという。

「オリジナルは20年近く前の曲ですが、あるとき父の近しいスタッフの方が“この曲は美雨ちゃんにピッタリだと思うよ”と、レコメンドしてくださったんです。それをきっかけにカバーすることになったんですが、どのタイミングでこの曲を発表するのがよいかを考えたとき、アルバムの締めくくりに相応(ふさわ)しいのかなと思いました。
 元さんの歌は、誰にもマネできない強い個性と美しさがありますから、かえってカバー歌唱することに気負いはありませんでした。ただ、父と時を超えた共演をすることや、音源として半永久的に残ってしまうと考えるとプレッシャーもあって。この曲を勧めてくださった方に対して“いい歌を歌いたい”という思いもあったので、そういう意味では緊張もしましたね」

 家族や親しい友人の前では、普段以上に緊張することは誰にでもあり得ること。1997年、「Ryuichi Sakamoto feat. Sister M」名義で、デビューした美雨さん。長く音楽活動を続けてきた美雨さんにとっても、父の音源との共演は特別な緊張感を伴うものだったようだ。