「“そこに必ず戻ってくる”というのは、ちょっと確信がある」俳優・美村里江が考える、時代劇の持つ良さとは

「役者としては、ずっと観続けてほしいという願望はあるんですけど、まずは1話見てみて、って感じですね。なぜそう思うかというと、この20代の方々が年老いたときに、時代劇があれば、“そこに必ず戻ってくる”というのは、ちょっと確信があるんですよね。演歌とかと一緒で、あれだけ良さのわからなかったものが、歳を重ねると、理屈抜きに古典の強さとして沁(し)みてくる。だからその入り口として1話は見ておいて損はないですよ、と(笑)」

 時代劇はいまの時代だからこそ、より響く部分があるという。

「“正しさって人の数だけあるんじゃない?”という、豊かさと引き換えに複雑化した今の世の中。時代劇の胸をすくような、完成されたスタイルは普遍的なニーズがあると思うんですね。なので、それが今すぐじゃなくても、いつか戻ってきてもらうために、一回だけちょっと見ておいてくれたら、って」

美村里江 撮影/有坂政晴

「時代劇には人情話とかありますけど、これが現代劇だと“いい話系”みたいな感じで、鼻についていやがられちゃったりしますよね。だけど時代劇でちょんまげつけて着物を着ている人がやると、そこは不思議で、なぜかスッと見れてしまうんです(笑)。
 最近では、ヒーローを描くにしても、何か特殊な設定やどこかクセがある部分をつけなければ、善意を丸飲みできる時代じゃなくなっちゃってる。でも、時代劇はファンタジーとして踏み込みやすいので、それを受け入れられる。それだけ可能性がたくさん詰まっているんですよね」